仮面浪人・再受験交流会

早稲田大学のインカレサークル『仮面浪人・再受験交流会』の公式ブログです

2012年度第一回東大プレ日本史検討


第一回東大プレの日本史を受験された方のために、
東大プレの問題の検討を行います。
採点基準等がないので、
問題、解答、解説を見て、ここまで書けていたら
合格点というのを書いていきます。
(満点答案ではありません)
多少長くなりますが、東大プレ受験者は参考にしてください。


大問一
A
政治的立場や天皇家との関係に着目がヒント
不比等が、大宝律令、養老令などの法令編纂に関わった
ことを想起したい。
また、不比等天皇家外戚関係を築くことによって、
藤原家の基盤を固めたことは、藤原四氏が光明氏を立后
したことに関する知識があれば、書けるはずではあるが、
その知識がなくとも、天皇家家系図を見れば、
わかるようになっている。
解答のポイント
一、不比等が法令編纂事業に携わったこと
二、不比等天皇家外戚関係を築いていたこと
この2点の指摘があれば合格点

B
この問題は難問。
光仁天皇が自分が天皇になれたことを喜び、
藤原百川に感謝したというエピソードを知っていれば、
天智系→天武系→天智系という大まかなあらすじは
想起できる。
あとは、女帝はあくまで中継ぎであること。
これは、昨今の愛子様天皇になる際に、
皇室典範の改正が必要であり、
天皇は男系であったことを考え合わせれば
合格答案は書ける。
一、天智系→天武系→天智系の流れ
二、光仁天皇の即位により、天智系に戻ったこと
三、女帝はあくまで中継ぎであった
以上3点があれば合格答案。


大問二
A
鎌倉幕府の御恩と奉公の関係を想起したい。
本領安堵により、地頭職に御家人は任ぜられていた。
このことにより、所領に住んでいたことが想起できればよい。
一、本領安堵により、地頭職に任ぜられ、
領地を守る必要があった。
以上の指摘があれば、合格点。

B
源氏将軍の滅亡とともに、将軍を中心とした政治から
執権を中心とした政治に変化した。
この点を指摘できていれば、合格点。
一、将軍は権力を失い、執権を中心とした政治体制へと
変化していった。

C
リード文からの読み取りである。
一、武家地の形成
二、港の整備
三、町人を集め、経済的発展を促した。
以上が書けていれば、合格点。


大問三
A
難問。
戦国から江戸初期までの基本的な考え方として、
臣従関係は、個人間でなされたという知識があれば、
部分点は取れる。
一、将軍と大名の間の主従関係の再確認であった点の指摘。

B
リード文を読めばわかるが、江戸初期では、
転封、改易などは将軍の裁量で頻繁に行われた。
しかし、幕末になると、三方領地替が拒否されて
実行できないなど、幕府権力が低下していた。
一、江戸初期は転封は将軍が自由に行えた
二、幕末は、将軍権力の弱体により、転封は自由に行うことが
できなくなった。
以上2点が指摘できれば合格点。


大問四
この問題自体が難問。
現代史まで勉強が進んでいない人もいるだろう。
ここは現役生はできなくても仕方がない。

A
戦時動員による減少。
復員による帰農が指摘できれば合格点だろう。
一、戦時動員により、農業人口が減少。
二、戦争終結により、引揚者などが農業に復帰し、
農業人口が増した。

B
昨年の東大の出題を意識した戦後史の出題。
できなくても仕方がない。
重化学工業が発展することにより、
農村から労働力が都市部に移った点だけでも
指摘しておきたい。
解答例のような解答を書くのは夏の時点では難しい。
一、重化学工業の発展により、農村から労働力が都市部に移った。


以上、この答案で何点くるか考えてみると、
大問1 10点前後
大問2 10点前後
大問3 8点前後
大問4 5点前後
計33点前後

比較的、東大日本史が得意で勝負科目にしたいと思っている
人でも30点を今回の模試で確保できていれば、
十分と言ったところだ。
30点あれば、偏差値65前後が見込めると思われる。


追記
第一回東大プレ日本史は
平均点18点 標準偏差7.7でした
ゆえに30点で偏差値65
予想通りの結果となりました
これくらい取れていれば、本番50点は十分狙えます